羊の原毛

秋田県藤里町に羊の牧場があり、羊の毛をわけてもらうことができました。
突然、連絡もせずに訪ねたにもかかわらず、とても親切に対応してくださり、羊の原毛を袋いっぱいいただくことができました。感謝ですね。  
 秋田は寒いので、綿だけでなく、羊毛も紡ぎたいと願っていましたが、願い続けると、かなうものですね。
 刈っただけの状態なので、汚れがいっぱい付いています。泥などの汚れを取り除くのは根気のいる作業でした。2時間半頑張った結果が下の写真です。
これをさらに、洗って、余分な脂を落とします。これは明日の作業ですね。

牧場の担当者の話では、手間を考えると、綺麗な状態になった羊毛を外国から輸入した方が安いから、原毛の引き取り手がなくて困っているということでした。

確かに大変な作業ですが、「汚いなあ」とか、「臭いなあ」とふと思ってしまった原毛も、こうやって汚れを取り除いているうちに、愛しいものへと、愛着を感じるものへと変わっていきます。不思議なのですが、本当にそうなのです。どんな羊だったのかなと、羊の匂いにも愛着を感じてしまうのです。今は肉になってしまった羊が形見に残してくれた羊毛だから、衣類にして大切に身にまといたいなと思うのです。

先日訪れた鹿角市の隣の小坂町は、放射性物質を含んだ焼却灰の受け入れ問題で揺れていますが、燃やして嵩を減らさないといけないほど、大量のごみが日々生まれていることが根本の問題かもしれません。輸入した方が、買った方が安いと、物を最大限に利用することをやめた時、物は粗末にされ、ゴミは増え続けるような気がします。

手間をかけることは、金銭的な採算は取れなくても、心をおおいに満足させてくれます。こういう時間こそ、黄金の時なのではないでしょうか?