勤勉革命(industrious revolution)

       --ガンジーの命日に寄せて

 1月30日はガンジーの命日。ガンジーは孤独な人だったのかもしれない。あれほど盛り上がっていた糸紡ぎも、インドが英国からの独立を達成すると、ほとんどの人がやめてしまった。
 しかし、ガンジーにとって、糸紡ぎとは、英国を追い出すための手段でもなければ、貧しい人に仕事を与えて、出来上がったカディー(手紡ぎ手織綿布)を買ってあげるという慈善事業でもなかった。
 それは、工業化によって、手足を使うことを忘れてしまった一人一人が、もう一度勤勉さを取り戻して、誰をも搾取することなく、また誰の奴隷にもならない自立した生き方を取り戻すためには、避けることができない働きだった。
 そして、それなしには、非暴力の社会を築くことも不可能だった。だから、産業革命(industrial revolution)から、勤勉革命(industrious revolution)へ・・・しかし、このガンジーの思いを理解する人はほとんどいなかった。
「一人歩め、一人歩め・・・」ガンジーは、タゴールのこの言葉が好きだった。そして、それは、私自身に言い聞かせたい言葉でもある。