エアコンの使用を怠けよう

 夏の電力不足が心配され、節電が呼びかけられています。
 原発を作りたいから、電気をどんどん使うように仕向けられてきたのだと言う指摘もあります。
 1970年は1世帯1ヶ月平均118.8kwhだった電力消費量が、2009年には283.6kwhへと、右肩上がりで増加しています。
http://www.fepc.or.jp/present/jigyou/japan/sw_index_04/index.html

 左の写真は、昨年の夏の我が家の電気使用量です。(画像をクリックすると拡大します。105〜138kwhです。)当時はまだ高校生だった息子が一緒に住んでいましたので、普通に夜更かしをして、普通にテレビを見て、パソコンも使い、それなりに文化的な生活を楽しんでいました。20年近く前に購入した旧式の、省エネタイプではない冷蔵庫を使い、普通に家電製品を使っていました。それで1970年と同程度の使用量を維持しています。江戸時代のような暮らしをしなくても、このくらいの電力消費に抑えることはできました。そして、これができれば、原発廃炉にすることも随分容易になるはずです。
 我が家が普通の家庭と違う所は、エアコンを使わず、電気をこまめに消して、使用していないものはプラグを抜くということくらいでしょうか・・・
 エアコンを使わないということには、抵抗を感じる方も多いかもしれません。もちろん、病気の方や高齢者に対する配慮は必要です。でも、もしあなたが健康であるなら、エアコンを使わないで今年の夏を乗り切ってみたらいかがでしょうか? 
 新潟の夏も暑いですが、インドの夏はもっと暑いです。十数年前に幼子を連れてインドで2年間暮らしました。住宅にエアコンが設置されてはいましたが、しばしば故障していました。さらに停電が追い討ちをかけます。要するにエアコンに頼らずに過ごすしかなかったわけです。さっきまで元気に走り回っていた子どもが、急におとなしくなったと思ったら身体が驚くほど熱かったりしたこともありました。熱中症になりかけていたようです。慌てて病院に連れて行ったら、「水をかけて、うちわで扇いでいたらいいんだよ」と言われました。暑い季節は、日に何度か頭から水をかけてやることを勧められました。
 去年の夏は猛暑でしたから、インドでのことを思い出しながら、時々シャワーを浴びてしのいでいました。頭から水をかけるのが一番の暑さ対策のような気がします。そして、エアコンを使わずに夏を乗り切ってみると、機械への依存を一つ減らせて、なんだか自由になれたような心地よさを感じました。さらに、身体というのは適応していくものなのだということも学びました。最初の1週間くらいはきつくても、次第に順応して、平気になっていくのです。
 電気は足りているという主張があります。確かに、それは事実でしょう。それでも、私は電気を使うことに居心地の悪さを感じるのです。今の日本では電気を自由に選べませんから、電気を使用する限り、その何%かは原発の電気となります。電気を自由に選べたり、原発廃炉にするために署名やデモも必要でしょうが、署名したから、デモをしたからすぐに状況が改善するわけではありません。でも、電気の使用量を減らすと言うのは、今日から、一人でも始められることです。
 どうも、電力会社には良心というものがなさそうです。もし、あれば、3月11日の時点で、全ての原発をとりあえず止めようという動きになったはずです。だから、署名の束を前にしても、デモの映像を見せられても、痛みを感じていないのではという気がします。唯一痛みを感じるのは、電力会社にとっての収入が減ることでしょう。ならば、電力会社に支払う金額は可能な限り少なくしたいのです。これが一番効果的な意思表示ではないでしょうか? もちろん、これは、消費者側にも痛みが伴います。でも、だからこそ、本気であることを示せるのがこれだと思うのです。